注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2017年12月29日金曜日

福島県_須賀川市_和田大仏及び横穴墓群(Ver2.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※10月のある日、蚊が多いエリアを避けての見学(泉崎横穴含む)と、もろもろの運用試験を兼ねての福島県和田大仏及び横穴墓群です。ZenfoneAR+RTAB-MAPの最大エリア挑戦で、横穴墓群が概ね点群データ化できました。写真測量版と見比べれば、メリットデメリットが見えてきます。

それにしても、ここは名前も説明も大仏メイン。スキャン結果からは、22基以上の横穴墓が密集しているなかなかの横穴墓群なんですが。。。”凹凸の明瞭化~”で見つけた、線刻っぽいものの位置も点群データ内で説明しています。

2017年12月27日水曜日

凹凸の明瞭化 東大がやっていた事に近いことが個人でも

最近、3次元を使った考古研究もいろいろなところで公開されてきています。発表会や雑誌といったものに、”見学”に転用できるものはないかなぁと物色。
その中で、
文化財の壺 第5号 特集:研究するモノに三次元を 2 SfM/MVSを用いた考古資料計測
http://www.book61.co.jp/book.php/N68664
に記載があるReflectance Transformation Imaging (RTI)に目が留まりました。

複数方向からの光を当てた画像から、対象がどのような反射を行うかシミュレーションできるデータを作れるということ。
~~~~~
”九州装飾古墳のすべて”で、照度差ステレオ法”と紹介されている内容と同一かな。
構築された照明システムがあると便利ですが、人力で対応可能。
~~~~

つまりは
古墳見学者が
線刻に対して
明瞭に写真に写る照明方向を探して四苦八苦する作業を
お家でできる
ということです。(ちゃんと素材画像が揃っていれば)

このRTI用の画像を撮影しようと立ち寄った和田大仏&横穴群で、横穴墓の工作痕をターゲットにライティングと撮影を行っていると、工作痕とは違う幾何学模様が。。。

撮影してお家で処理。



動画ということで分かるように、横穴墓壁面を撮影しながら光源方向を変えているのではありません。

ベストと思われる画像を出力


使ってみて分かったのは、目的の線刻が明瞭に画像に出来るということ以外に
ターゲットではない凹凸まで記録でき、
後から見直せるということ。

要三脚となってしまうので荷物は増えますが、面白いものが記録できることは確かです。

2017年12月24日日曜日

濃密局地的見学で専門資料の隙間を埋める

前々から気になっていた徳島県美馬市付近に集中して存在する”段の塚穴型”横穴式石室。

段ノ塚穴型石室に関する若干の考察



現地の解説には、当然のように記載されている”段の塚穴型”ですが、
言葉の初出は”天羽利夫(1973):「徳島県下における横穴式石室の一様相」 『徳島県博物館紀要』第4集.”でしょうか。(徳島の資料館で見てくればよかった・・・)

これら資料に記載があり見学したことのある古墳は、太鼓塚古墳・棚塚古墳・江ノ脇古墳の三基。”穴吹町における後期古墳の研究”に記載のある”段の塚穴型”は25基。実際に見てみよう・撮影してみよう・3次元計測してみようということで11月後半に徳島県へ。

結果、25基中17基を見学(+三島1号古墳西側石室残存空間)
左上から大きいものを列挙
古墳の名前言えるかな?
大型(玄室長3m以上)の物はシルエットだけみると天守閣のようにもみえ、特徴的な構造が存在していることが分かります。小型のものは、空間形状だけを見ると肥後や紀伊のものとそれ程差がないようにも。

すでにこれら多くの古墳の測量から、30年以上経過しています。当時取得できていなかった”何か”が、見つかると嬉しいのですが。

個別公開前に、徳島県だけのフォルダを作成しました。
3次元だけではなく、全天球写真も撮影してGoogleMAPには登録済み。

個別に紹介する前に3次元データ/全天球をご覧にになりたい方は、googlemap(古墳位置)、徳島県横穴式石室 点群データ集(個別紹介するまでの期間限定)を参照してください。

2017年12月20日水曜日

正式終了が言い渡されたTangoユーザーは何をすべきか

ARCore Developer Preview 2
https://blog.google/products/google-vr/arcore-developer-preview-2/

 we’re turning down support of Tango. 

というわけで、正式な”さよなら宣言”が出たわけです。
開発者は、当然泥舟?から逃げ出さなければならないですが、数万円を頑張って捻出したユーザーはそういうわけにもいきません。一般ユーザーとしてやれることをメモ書き程度に列挙しておきます。


1、AndroidOSのバージョンアップは、行わない
ZenfoneARのOSは、Android7.0。果たして、8.0以降のバージョンに上がる日がくるのか不明ですが、リリースノートなどに”Tango”の動作について何も書いていなければ、上げるべきではないと考えています。


2、セキュリティの低下に備えて、ZenfoneARはサブ機以下の扱いに
1を守ると当然懸念されるセキュリティリスク。スキャンデータはともかく、電話帳やお金が絡んだデータが流出してしまうことは防がなくてはなりません。ほぼ、スキャン機材として運用するのが正しいところかもしれません。


3、Tango関連のアプリは、apkファイルでバックアップを。インストールと動作の確認も実施しよう。
TangoアプリがGooglePlayから消え去ることを考えて、よく使用しているAndroidアプリケーションのバックアップを行いましょう。バックアップしたapkファイルを再インストールし動作確認を行うことも重要です。(スキャンデータのdbファイルをバックアップすることも忘れずに)


まぁ、この機種を選んで買った人にとっては嬉しい状況なのかも。
背面深度センサー付きスマホを持っている僅かな人間になれたのだから・・・






2017年12月17日日曜日

福岡県_上毛町_百留横穴墓群X号墓(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。





※百留横穴墓群の1基・・・なのですが番号を聞いておくのを忘れてしまいました。動画での39秒のところで真ん中にある横穴墓です。構造上の特徴として、内側の雨戸入れ?のようなものがあります。玄室内部にはそれ程こだわっていないように見える横穴墓群のなかで、彩色以外のワンポイントでしょうか。(後世改変の可能性もあります)

2017年12月13日水曜日

小さな開口部にZenfoneARを突っ込んでみると

手持ちの3Dスキャン機材として、最新で最小のZenfoneAR。
両手持ちが基本のStructuresensor+iPadと比べると、いろんな所に潜り込ませることが可能になりました。

基本、格子の荒い柵は通過。石室形状にも寄りますが、奥壁3mくらいまで特に問題なくスキャンできます。



さらに進んで古墳の石室や横穴墓でよく見かける?人の入れない小さな開口部。そんな中にZenfoneARを突っ込むと、ThetaSでの撮影とは違う何かが見えるのか・・・試してみました。

たまたまターゲットとなったのは、十王前横穴群の10号墓。かんぶり穴を守る会の方々に”ここも横穴墓だよ”と説明を受けながら、この開口部(20cm*15cmくらい)ならスマホ入るかもと早速思案。その後の見守られながら少し突っ込んで上下左右に振って撮れたのがこちらです。

ThetaSの突っ込みとは違い”何があるか”は分かりませんが、開口部からの全長約3m、幅2.3m、高さ1.4mのかまぼこ型の横穴墓が残っていることが分かります。またこの3Dモデルを近隣の横穴墓とつなげてみると、11号墓と近いこと(30cm未満)や9号の方が10号に配慮してかなのか?歪な形になっているのが見て取れます。

左上緑:十王前横穴群1号墓
左上オレンジ:9号墓
中央オレンジ:10号墓
右下オレンジ:11号墓(装飾横穴)

内部に落とさない、中に何かいる場合の対策など注意が必要ですが、こういうデータが取れるとついついやっちゃいたくなりますね。(ThetaSもやってみたかったですが、”中の人”が見つかると厄介なので自重)

2017年12月9日土曜日

岡山県_真庭市_定西塚古墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※定東塚古墳に隣接して造られた定西塚古墳。大きく高い石室ですが、陶棺を納めるにはあんまり高さは要らないような・・・。次の世代の人たちは、そのあたり気がついての定北古墳なんでしょうかね。全天球で再見学してみると、どうも天井石が側壁から張り出した石にギリギリ乗っかっているようにも見えます。

定4号や定5号も一応はデータがありますが、落葉樹の森は意外と日差しを通してあまり上手いデータにならずお蔵入り。大谷古墳の方は、いつの日か復元墳丘も含めて3D化かな。
全天球写真は、大谷古墳 4号5号すでにグーグルマップに登録されていたりします。

2017年12月7日木曜日

福岡県_上毛町_穴ヶ葉山3号墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


げじげじが多く写りこんでいるので、虫耐性のない方注意!!

※現地で見学した際も、前室ちっさ!などと思いながらスキャンした穴ヶ葉山3号墳。前室がある・使用されている石材が自然石などの印象を取っ払って、3D化した石室を側面から見てみると妙に畿内な感じの空間形状です。穴ヶ葉山古墳群の石室を1.5倍もしくは2倍すると、どこかの石室にマッチするかも・・・と、最も有名な石室と並べてみると。

上:穴ヶ葉山3号墳石室 200%
下:石舞台古墳石室 100%

他人の空似かなぁ。