注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2016年12月30日金曜日

Canvas by Occipitalで作ってもらった横穴墓の3D_CADデータ

サイバーマンデー(アメリカの年末商戦に向けたスタート)の時期に、使用している機材や購入を考えているソフト/機材のWEBサイトをうろうろしていると、StructureSensorのOccipitalから新しいアプリがリリースされていることに気がつきました。

Canvas by Occipital:https://itunes.apple.com/us/app/canvas-by-occipital/id1169235377?mt=8

同じ会社の”Roomcapture”と違うのは取得した3DデータをOccipital社へ送信し、有料で3D_CADデータへ整形してくれるという点。寸法を採るという性格上、色データを取っている気配はありませんが、その分細かく点群をとっている気がします。




DepthSensorの本も出されている方もこのCanvasをご自身のお宅で試されたようです
・手作業でCADデータを作成しているであろう
・精度にはバラつきがある
・Unityと親和性の高いフォーマットなので、VRやARに使えそう
(私の理解で)

一ヶ月遅れで同じ題材を使うのもアレですし、何より古墳を題材にしなきゃと考え付いたのが比較的直線系で作られている群馬の石室・・・
ですがあまりにも直線構成が綺麗過ぎるとそれはそれで面白くないなぁということで、寄棟形の横穴墓を選択。餌食になったのは長柄横穴群第1支群15号墓。




作業依頼したのは、上のスキャンデータ。
数日後送られてきたのは、下のデータ。
(特に質問や文句も無く、”部屋”として処理していただきました)




・入り口側および奥壁側の曲線→直線になったが若干台形の床面は再現
・棟/垂木の浮き彫り→消えた
・長押→内部から見ると再現されている
・棺座のスキャンできていないところ→補完されている。
・左右の照明→無くなった。柵は再現されている

精度的なもの(左 長柄町横穴群徳増支群発掘調査報告書 右 CADデータから
奥側幅4.85m  →4.75m
入り口側4.35m →4.27m
奥行 3.6m   →3.59m

※発掘調査資料と同じ位置をCADデータで計測したとは限りません。
また、配布されているパンフレットでは、奥行3.4m幅4.48mとなっています。

素人感覚でよいかなぁとも思いますが、ここまで簡略化されたCADデータが考古資料に使われている例をみたことが無いので、資料としてはいろいろ不足しているのかと思います。

むしろ、利用用途はVRやAR(総社古墳群のアプリみたいなもの)やぬり絵下絵、ペーパークラフトの元ネタ等でしょうか。


ちなみに費用は、1データ $29=¥3400(16/12/28ごろ)


RoomCaptureで取得したデータをトレースするような形で、時間をかければ自作できるかも。





2016年12月29日木曜日

GoogleMap上の古墳をめぐる戦いと将来起こるであろう戦い


位置ゲーム。
それは、コロプラ(コロニーな生活☆PLUS)等から始まる位置情報を使用したゲーム。自身の移動距離であったり、城や携帯のアンテナ、仮想の陣地やモニュメントを奪い合う戦いなど多くのバリエーションを経て、位置情報の精度とともに進化してきました。今年はポケモンGoの流行もあり広く知られるようになったと思います。

そんな戦いが、GoogleMap上でも静かに行われています。

以下のMAPは、富津市内裏塚古墳群付近の”古墳”で検索にヒットするマーカーの所在地を表したもの。(注意:検索結果そのものではありません)

わずか三キロ四方程度の古墳群で全部と言いませんがかなりの数の古墳がマーカーとして登録されています。この中で国指定史跡は内裏塚古墳のみ。そのほかは市指定史跡や無指定古墳となります。

富津市内裏塚古墳群MAP http://www.city.futtsu.lg.jp/cmsfiles/contents/0000000/851/dairizuka.pdf





以前から関東で少しずつ古墳のマーカー増えているなぁと思っていたら、なんだか物凄い数が検索でHITするようになっています。これはもうお役所の仕事ではなく、googleのローカルガイドの活動結果と見ることができます。関東や最近話題や国史跡になった場所などが特に多く、古墳群のマーカーと各古墳のマーカーが別々に存在している場合や群集墳の番号付き円墳までマーカーがついていたりします。指定史跡どころか無指定まで登録が広がってきているので、今後無名無指定や古墳群のナンバリングごとの登録に加え、いわゆる”編集合戦”が発生するかもしれません。



よく見かける命名/登録ルールのようなもの

1、[XX指定史跡]
国指定史跡 国史跡などの表記で、指定遺跡であることを明示しています。県指定の記載は見かけたことがある程度。市町村指定はほぼ記載されていません。

2、[墳形]
稀な記載です。円墳や方墳、前方後円墳などの墳形が示されています。

3、[古墳群名]
文化財としてされている名称を大体つけているようです。

4、[地域名]
稲荷塚や車塚、二子塚といったよくある古墳名の前に付く地域名。

5、[古墳名]
もっとも一般的な名前を採用しているよう。郡中のナンバリングを併記している例は稀。

6、[WEBサイト]
自治体のHPアドレスTopが大半ですが、古墳を紹介しているWEBサイトのアドレスになっていることもあります。(関東甲信で埼群古墳館をリンク先にしているところが結構あります)

7、[電話番号]
自治体文化財管理担当の電話番号(文化財課や教育委員会)

8、営業時間
24時間営業になっているところがチラホラ・・・


基本形は1+5、最大では1+3+4+5。各要素は、スペースの有り無し、中点等で区切られるますがバラつきがあります。単純な5だけで構成されているのが、古くからあり修正・加筆が行われていないもののような気がします。


少し危険な事象を見つけたので、もしマーカーを作ろうとしている方は注意してください。

営業時間を24時間にしてしまうと、”古墳の混雑状況”から周辺住民の活動状況が分かる。

通常のレストランなどであれば、来店している人数+隣接する住宅の人数なので、来店客数に埋没します。ただ、公園が併設されていない古墳は24時間の見学者(特に平日日中や深夜)がカウントされることはまずありません。純粋に古墳に隣接する住人のスマホもちの活動履歴が出てしまっています。

例:内裏塚古墳
隣接してヤマト運輸があるので出社時間と退社時間にピーク。深夜の数がスマホもちの住人傾向。


この営業時間データは空にしておくことをお勧めします。




それにしてもこれほど、古墳のデータがGoogleMapに急速に増えていくとは思っていませんでした。今まで、遺跡GISや自治体の文化財HP、そしてコフニストの探索の結果として個々に公開はされているデータは、あくまでそれを目的とした人が見つける物。一般の人の目(特に土地所有者や管理者を自認しているグループ)に留まったとき、どのような反応をされるか少し気がかりです。


2016年12月24日土曜日

おかん塚古墳を彩るMatcap(ツールを組み合わせて塗り絵下絵作り)

大安場古墳のガイダンス施設を見学した際に見た古墳にコーフン協会のワークショップ ぬり絵コーナー作品展」。

前方後方墳の墳丘図面をそう使うかー!と感心しながら発掘調査資料を読んでいたところ、石室の三面図がぬり絵の下絵に見えてきました。

報告書の三面図を流用するだけでは芸が無さ過ぎるので、自作のデータを何とかぬり絵の下絵に出来ないかと考えてみました。


思いついたのは、”写真をぬり絵の下絵に出来るソフト”と3Dモデル画像の組み合わせで簡単にした絵ができないかなぁというもの。試すために選んだのは、発掘資料が公開されていて大きめ石材で構築されたおかん塚古墳。


長野県飯田市国史跡飯田古墳群 おかん塚古墳側壁発掘調査報告書”おかん塚古墳 2008”P22 挿図 横穴式石室実測図より引用まずは、自作3Dモデル側面オルソと実測図の誤差が大きくは無いことを確認。実測図に着色した3Dモデルを半透明で乗せています。素人感覚ではよさそうですが、まぐさ石や上部は少し誤差があります。単純に3Dモデルをスクリーンショットで撮影しただけでは、陰影がはっきりしない画像に。陰影を際立たせるために、3Dモデリングソフト”Blender”のMatcap機能を使用。3Dモデルに”光源”+テクスチャを貼り付ける作業(らしい)のですが、凹凸や質感を確認すため幾つか設定が最初からあります。BlenderのMatcap設定をすべて試してみた結果、下のカラフルなおかん塚がよさそうな下絵になりました。ぬり絵の下絵になったおかん塚古墳側壁。(ぬり絵下絵というより鉛筆スケッチかな)ぬり絵の下絵をと思って作成していましたが、逆に言えば簡易三面図の作成手順ともいえます。スマホで3Dモデルを撮影する→メールなりで処理サーバに送る→3Dモデルをオルソ画像にする→陰影や凹凸から3面図にする→現地に配信して確認・不足があれば追記する。システム化してしまえば、ものの数分レベルで簡易ながら三面図が出来るかもしれません。折角作ったカラフルおかん塚古墳。全種類を掲載。物によっては線画にする必要がないほど石材構成を表現できていたり。


























2016年12月21日水曜日

長野県_飯田市_塚穴1号墳2号墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



(上)塚穴一号墳(下)塚穴2号墳




※ストリートビューでも大体は閲覧できる塚穴1号墳と2号墳。2016年10月の飯田古墳群国指定史跡からは漏れていますが、実際に1号墳を見学してみると背が高い立派な石室に驚かされます。ちょっとだけ北側にある2号墳。盛り土も確認されていないことから、山寄せの一番奥側だけ残ったような感じなのでしょうか。


GoPro4_Silverでコンクリート壁ごと3D化できるかチャレンジ。GH-1の写真を使用したときテクスチャが雑にはなりますが、コンクリート壁に組み込まれている石室の状況が分かる3Dモデルになったのではないかと思います。

2016年12月14日水曜日

福島県_須賀川市_和田大仏及び横穴墓群(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※災難続きの福島県のお地蔵さん。犯人も捕まったようなので、大仏さんと横穴墓群のコラボ3Dモデルです。すでに横穴が掘られているところに磨崖仏を作るというのは面倒なようですが、2基もしくは3基の横穴墓の奥壁を利用することで、高所の足場作りをしなくてすんだのかも。

横穴群としては信仰の場として再利用されずいぶんと残りは悪くなっています。高所で奥行きのあるもの以外は、写真をしっかり撮影することでもっと綺麗な3Dになると思います。東側にもう少し続くのですが、樹木にさえぎられた部分が綺麗につながらずこのモデルには載せていません。

2016年12月11日日曜日

記録系ガジェット_リコー株式会社_Thetaのハードケース

記録機材の備品ですので、別立て記事にする必要もないかと思っていましたが大活躍してしまったので紹介です。

全天球カメラThetaS用 ハードケース TH-1(ThetaSCは別のTH-2が該当)


















開口部の小さな石室・横穴墓、崩落の危険性が高く入室できない石室・横穴墓を内側から何とか撮影できないかということで考え出したTheta+一脚。















実際に運用してみるとまた改善点が出てきてひと工夫(+金銭解決)

1、長い一脚を使うと一脚先に取り付けたThetaSが安定せず暗所撮影が出来ない
 →先端のほうに小型の三脚をつけて安定性アップ。

2、地面への接触などでThetaSのレンズに傷が付きそうで怖い
 →前述のハードケースを装着する。

さらにしばらく使ってみると、意外と2の状況(状況が分からないところへ突っ込む)は少なくハードケースは車には搭載してるだけの物品となっていきました。

たまたま、合致する機会があり”暗所用CCD”のように活用できましたが、一般的に使いどころは難しいのではないかと思います。次のようなハードケース装着時の懸念もでてきます。

3、ハードケースを着用すると無線LANで操作可能な範囲がさらに狭まる
→ハードケース取り付け前にインターバル撮影を仕掛ける等


なんとかThetaを防滴で使用したいという方向けでしょう。

2016年12月8日木曜日

栃木県_宇都宮市_長岡百穴東群(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※夏休みとはいえ引っ切り無しに車が来るので大人気の横穴群かと思いきや、集合場所やポケモンGoのスポットになっている模様。畑もいろんな野菜が育っているので、ストリートビューのような全景は冬の時期だけのもののようです。ずいぶん痛んではいるものの関東で手軽に見学できるこれだけ重層の横穴群は、ここと吉見百穴・十五郎穴くらい・・・かなぁ。


横穴列にも奥行きがあり、最上部のものは数m奥が開口部になっています。写真測量の3Dモデルでもそのあたりはぼんやりした形状に。崖沿い概ね一直線に築造されている群とは違い、地形面に沿って写真の品質を一定にする工夫が必要。。。人では行きづらい場所も多々あるので、ドローン撮影を試してみたいところですが、飛行には申請が必要な区域です。


2016年12月2日金曜日

石貫ナギノ横穴群(熊本県玉名市 国指定史跡)Sketchfabの投稿から

他の投稿者によるSketchfab内でついに同一被写体?の3D化です。
年末のお休みにでも5号あたりから12号あたりまでをPhotogrammetry(SfM)してみようかと思っていたところに、この綺麗な一群3Dモデルです。

すでに幾つかの自身の作例からも、横穴群の”群としての”3Dモデルは単に3D化にとどまらず、横穴の位置関係(通常垂直方向と水平方向で報告書に記載される)が一目瞭然となる優れた一面があります。植生の少なくなっているこの時期に、特に損傷が激しいものについて実施してほしいものです。



 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


技術的な課題としては、横穴の中まで作成した完全な横穴群を作成するというのが次のステップとなります。それぞれの横穴について3D化可能な枚数撮影して丸ごと処理というのも考えられますが、まぁ枚数からいって個人のPCでは難しいでしょう。また、高所にあるもの崩落の危険が高いものには写真撮影とは別の手段をとる必要があります。複数手段の3Dモデルを正しく繋げて全体像とする技術が必要になると思います。
(私がやっているのは、形状が類似する場所を人間が推定して手動連結しているので精度がかなり落ちる)

2016年11月29日火曜日

Tomb of the Gold Hair Spiral(イタリア ポプロニアの共同墓地)Sketchfabの投稿から

Sketchfabには、Collectionという機能があり自分で作ったフォルダの中にSketchfabで気になったモデルのまとまりを作ることが出来ます。私が作っているのは、古墳時代の出土品と古墳時代の墓フォルダ。そして、他の方からその方のフォルダに組み込まれることもあります。

今朝方組み込まれた方のフォルダ(アイデアの参考?)をみていたら、非常に古墳の石室に似たものが!!調べてみると、イタリア紀元前7世紀ごろのお墓とか。



九州で発見しましたといわれたら少し信じてしまいそうな石室です。


 

周りにも石室・石棺・墳丘と。どこかでみたようなものが密集。こういった博物館に飾られていないを遺跡をバーチャル見学できるのはSketchfabならではですね~。

2016年11月23日水曜日

マイクロソフト Photosynthやめるってよ

久しぶりにマイクロソフトPhotosynthにログインしてみると画面上部に下のようなバナーが表示されていました。

We are retiring Photosynth. Read full announcement.

”Photosynthやめます”ということです。

・2017年の2月6日にPhotosynthを終了します。
・オフラインビューワは、windows64bit版とMac版があります。Win32bit版はないです。
・登録したデータをバックアップしたい場合には、”Export”ボタンを押してください。
表示が”Export Requesuted”に代わり、しばらくすると”Dowload”ができるようになります。
(自動で変わらないかも F5で更新)
・ダウンロードしたZipファイルをダウンロードしたアプリで開くと同じような表示ができる

※現時点(2016/11/23)ではWebサービス上で作成可能


全天球に関してはツールやビューワが増えてきているので、もともとの素材が残っていれば何とかなるしょう。ですが、Photosynthを通じて作成したSpinやStreetについては提示された再生手段がほぼ唯一になると思います。残り二ヶ月ちょっとですが念のためバックアップしておこうと思います。



八幡山古墳 石室(old tomb "stone stage of kanto" ) by ko-nonaka on photosynth

かなり初期に作成したもの。もう二年半もまえなのですね。

2016年11月17日木曜日

山梨県_笛吹市_岡銚子塚古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※ドローンを使わずに写真で3D作成した最大級の墳丘・・・岡銚子塚古墳です。使用したのは、GoPro4Silver+7.5m一脚。早朝から釣竿?振り回しながら古墳上をうろうろしている姿は、通報ものかもしれません。

前方部が少しひし形に見える前方後円墳の1形式。よく見ると西側に向けて少し1段目が広がっているので、見せたい人々はこの古墳から西側に居住していたのかもしれません。




















VR設定の岡銚子塚古墳前方部。墳丘もバーチャル見学!

2016年11月12日土曜日

群馬県_高崎市_山名原口2号古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※群馬の古墳が続きます。屋根つきの建物で保護されている山名原口2号墳。3Dモデルのプレビューからは、近くから撮影したように見えますが実は全方向から対象物は2mくらい離れています。
全方向から”丼”のような写真撮影&少し高いところから見下ろす形で撮影。さらに撮れてなさそうなところを追加撮影。3Dモデルを見て頂くとどこが3D化できていないのかが分かります。

模様積みとされている石室ですが、藤岡市の伊勢塚古墳やその近辺のものと比べると丸い石と棒状石の割合がずいぶん丸石側に倒れている印象。床面プランも近傍のものに近い気がします。(3D化したものだと上庄司原2号墳 伊勢塚古墳が特殊?)

2016年11月6日日曜日

群馬県_伊勢崎市_お富士山古墳所在長持形石棺(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※久しぶりの石棺スキャンですが、今回は写真での3D化。覆屋と石棺の隙間が少なく、撮影に難儀。念のため、アクリルより外から撮影してした画像まで使って何とか3D化です。そのため、ややテクスチャーに鮮明さを欠くような気がします。

関東では珍しい長持形石棺が、アクリル越しとはいえ常時見学できます。(中に入るのは伊勢崎市の許可&平日対応) 大型前方後円墳+石棺 さらに前方部をやっちゃった両毛線(電車)と時期によっては桜といろいろなカテゴリの方にアピールしている古墳かも。

2016年11月3日木曜日

古墳の情報にまず付かない”音”

古墳を見学していて、気が付く”音”
見学している自身の活動音(カサカサ)や木々が立てる音(ザワザワ)、生物の立てる音(パチパチ!?)。

そんな”音”を水平全周パノラマに乗せて撮影・再生できるスマートフォンアプリが出ています。
そのCardboardカメラで撮影した芝山古墳群殿塚姫塚古墳。
画像だけ切り出すと、下のような普通のパノラマ写真ですが、googleに登録されているパノラマには1分ほどですが音が付いています。







音付きVRパノラマ 芝山古墳群 殿塚古墳 姫塚古墳https://goo.gl/vrphoto/IwpVdtnjyRF71wAn1

スマートフォンの検索に上記のアドレスを入力。
Cardboardカメラに画像を保存するか聞かれるので、保存。
上記のアプリから共有されている動画から選択。
で閲覧できます。

VRをしながら音を聞くのにはBluetoothイヤホンが必要ですこしハードルが高いです。ただ、実際にできると臨場感がずいぶんとあがります。

桜が咲き始め、鳥のさえずりとジェット機の爆音と撮影のために回転している自身の足音。

googleさんも”/vrphoto/”という通常とは異なるリンクを備えているので、将来マップへの登録もできるようになるのかもしれません。

2016年10月30日日曜日

群馬県_前橋市_蛇穴山古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。





※Pix4DからPhotoScanへ処理ソフトを変えてみたら綺麗にできてしまったphotogrammetry(SfM)版蛇穴山古墳。StaffPickupにもなってしまい少し複雑です。処理時間は、かなり重複過剰な1000枚60時間を超え。5年前のPCが頑張ってくれました。

奥壁の梵字が再現されていたり予想以上の再現度ですが、奥壁と石材の隙間は難しいようで3D化されていません。3Dスキャンの3Dモデルの3点と同じサイズになるように調整しているので、サイズとしては1/1となっています。




2016年10月28日金曜日

マイクロソフトも3D。考古資料も”最低3D”の時代がくる?


昨日行われたマイクロソフトの次期アップデート等の発表会。
3Dに非常に注力された発表内容は

あのペイントが3Dになる!?
スマホ(Windows)で砂の城を3Dスキャンしている!?
マイクロソフトがSketchfabみたいな3Dモデル登録サイトを準備する!?
Officeも3Dに対応する!?

などなど
使う人ならボチボチ使いそうだけれど、
殆どのユーザーにとってパソコンの動作が重くなる要素のような

なんだか、PCの買い替え施策のようにも見えてしまいます。


ただ、誰でも容易に3Dを作れる環境という表現手法が広がるというのもまた事実。現在の画像や音楽・動画といったものと同列に3Dデータが当たり前になったとき、
果たしてどの組織が勝者になりますかねぇ


2016年10月22日土曜日

福島県_白河市_谷地久保古墳(Ver1.0、Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※壬生車塚古墳の延長戦。類型の石室を探して福島まで足を伸ばして谷地久保古墳を見学。高いと場所、どちらかといえば谷筋という終末らしい立地。国史跡のせいか夏の終わりでも見学しやすい状況です。

現在は袖もなくなっていますが、壬生車塚古墳石室を小さくしたような形状だったことが記録に残っています。Ver1.0だと天井石や側壁とかみ合う様に工作されているように見えます。



今回のVer1.0は、初のPhotoscan作成物。実測が伴わない写真測量系とそこそこ精度で計測されている3Dスキャナの組み合わせでほぼ同じサイズにできています。



2016年10月19日水曜日

前橋市総社資料館ナビ

蛇穴山古墳の全天球を撮影しているときに気になっていた東隣の新しい建物。
総社歴史資料館としてプレオープンをしたようです。


前橋市総社歴史資料館



※ちょうど一年前くらいのストリートビュー 建設開始したあたり?。


記事を検索してみると、同時にスマートフォンアプリもリリースされているようです。





総社古墳群と山王廃寺・用水といった前橋市総社の文化財を解説してくれているアプリ。現地の白黒のマーカーが文化財に貼ってあるのはなんとなく興ざめするのでVuforia(親しみのある画像などをARマーカーにできる)を使っているのは好感が持てます。

宝塔山古墳の石室に入れるVRでは、スマホをシェイクすると進んだりする仕組み。googlePlayの説明を読まずに試したので、どうやって前に進むか少し悩みました。


気になったのは3点。
○このアプリ、現地で使うARコンテンツと現地でなくてもよいVRコンテンツ・検定(クイズコンテンツ)が混在している点。宝塔山のVRは面白いけど、資料館に来ているなら実際に行くほうを薦めたい気もします。

○Ver1.0.1 展示解説から各詳細説明を読んだ後”戻る”を押すとTOPに戻る。展示解説が瞬間表示されるので”戻る”を連打しているような状況かな。(手持ちの端末バグかも)


○電話のステータスとIDの読み取り権限っていります?
(インターネットのフルアクセスは、コンテンツの拡張やARマーカーの問い合わせで使うかもだけど)


古墳で検索してもスマホ用アプリはさきたま古墳群くらいしかなく(しかも1年放置)、なかなか予算とか大変かなぁと想像。がんばれ!前橋市。













2016年10月18日火曜日

福岡県_上毛町_穴ヶ葉山2号墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



 ※穴ヶ葉山古墳群の中では、線刻も無く小粒な2号墳。駐車場から大きく見える1号墳の足元にあるような感じです。3Dモデルで空間形状についてだけ見れば九州石室感より群馬の終末に近いような印象も。撮影時には気にしていなかったのですが、全天球で改めて石室を見ると奥壁がひよこサブレに見えてきたり。 

全天球写真には小動物の骨が写っていますのでご注意を。

2016年10月13日木曜日

福島の装飾横穴を見てきました

スカイトレッカー様に誘われて、福島装飾横穴めぐりを敢行。

谷地久保古墳では、OBITO様に初めてお会いするという古墳運を発揮。
(同日行われたつくば市下河原崎高山古墳群の現地説明会に行っていたら、昇寛様oobuta様に遭遇していたのかも

歴戦の方々とご一緒すると、いろんな視点があって面白いです。


装飾横穴や道中の美しい写真はスカイトレッカー様にお任せするとして、
自身の裏目的としてiPadPro9.7のカメラを使った3D化というものがありました。


・iPadmini2が2年たっていろいろと不足する部分が出てきた
・StructureSensorの会社がこのところ静かなのでiOS10に対応するか不安
iPhoneの画像で3D化されている方がいらっしゃるので同じことができるか試し

などなど毎度の言い訳をつけてiPadPro9.7に機種変更。
(カメラはiPhone6S相当 iPad系の中では唯一のフラッシュもち)


そして、試した竹の花横穴墓羨道。





















一方向からしか撮影していないので玄門側へテクスチャは流れてしまうのですが、60枚程度の写真でここまで綺麗な3Dモデルとなりました。

ブランケットを購入もしくは作成すれば、これまでどおりStructuresensorもあわせて使えるので、このiPad一台だけでもかなりのことができます。あとは石室内部で十分なフラッシュ撮影までできれば、写真3D化も可能となりますがそのチャレンジはまた別途。


2016年10月5日水曜日

ついに3Dスキャナ内臓のスマートフォン発売

この3Dスキャナどこで買えるの?と古墳で聞かれるたびに
そろそろ発売されますよと言い続けて2年

ついにちゃんとした3Dスキャナ付スマホが発売になります

LenovoのPhab2Proの特設サイト 
http://shopap.lenovo.com/jp/tango



動画の初めあたりに、カメラとその隣のカメラっぽいセンサー群をばらしている場面がありますが、それが3Dスキャナ(深度センサー)。

搭載されているのは、Google社のTangoProject。私の使っているStructureSensorとは違い、TimeofFlight方式(インテル社のRealsenseと同じ)。以前だとデータ処理が大変でスマホ搭載は難しいといわれていた方式ですが、数年で搭載されましたね。


このTango用アプリは少しアップロードされていますが、StructureSensorのRoomcaptureと同じようなアプリがまだ見当たりません。
TangoProjectのコミュニティには、部屋をスキャンして補正をかけるような動画もあるので類似のことは行えるようです。

   


今後増えていくといいなぁ。(自作は難しい・・・)

様子見するか、買ってしまうかで悩み中。






2016年10月2日日曜日

群馬県_伊勢崎市_一ノ関古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※立派な石室が駐車場付きで整備されています。すぐ川沿いというのは、古墳の立地としては珍しい気がします。床面プランや天井高が奥壁に向かって高くなるのは、3D化した中では野殿天王塚に似ているかな。

写真測量(Pix4DMappermesh)のみで作成・公開した初の天井石ありの石室です。写実的にできる分画像や3Dモデルが非常に大きいサイズになっています。スマホでの閲覧は難しいかも。

影の部分が3D化されたり、開口部の連結を自動ではできなかったりとまだまだ課題がいっぱい。

2016年9月29日木曜日

千葉県_長柄町_長柄横穴群15号墓(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




※最近横穴墓は、長岡百穴くらいしか入っていなかったので、3Dモデルを作成・登録している段階で圧倒的な空間サイズに感じる長柄横穴群15号。4棺座のコの字配置なのですが、3Dモデルを下から見上げていると、なんとなく6畳の畳敷きにも見えてきて不思議な感じです。

2016年9月19日月曜日

群馬県_玉村町_玉村町第15号古墳(Ver1.0)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※夏でも安全な移築古墳さん。角閃石安山岩を使用している石室で3D化は上庄司原2号墳に続いて2基目。この玉村町第15号古墳直前に綿貫観音山古墳を見学・3D化したせいもあり、ずいぶんと雑に感じてしまっていましたが、3Dにしてみると壁面の平滑具合などすごいものがあります。(移築補正?)


2016年9月15日木曜日

見たことの無い形になった石室たち(写真測量の失敗例)

9月に入って写真測量のデータを処理するのに精一杯。
大部分の時間を演算に使用しています。

そんな長時間の演算結果が失敗に終わったとき、がっかりもするのですが失敗の原因がわかりやすく反映されている失敗3Dモデルもちらほら。
そんな中から特徴のある2枚をご紹介。


























蛇穴山古墳前庭も含めた石室を一気に処理しようとして出来た一品。
石室と前庭が妙な連結をされてしまい斜めになってしまっています。

点群がどのように生成されたか見てみると、入口付近の天井と床面の写真から基点が作成されていました。外側から石室を撮影した際に写った暗い床面と内側から前庭を撮影した際に写った石室入口の暗い部分が同じ位置とされたのが敗因のようです。





フェンス越しに全周から撮影して石室を再現しようとした山名原口2号墳。
現地を知っている方ならすぐわかるように説明板が二箇所にあるなど、謎空間が出来上がりました。

点群がどのように生成されたか見てみると、異なる鉄柵や支柱が同じものとして基点が生成されていました。どうしても石室自体に焦点を合わせてしまい背後の鉄柵や支柱がボケ気味に写ってしまっているのが失敗要因のようです。


全天球も含め品質を求めると、カメラで写すということが如何に難しいかが身にしみてきている最中です。



2016年9月8日木曜日

学芸員さんの細かい努力?ローカルガイドのボランティア?

googleMapに登録している全天球写真。
マップのリスティングを選択という項目が増え、写真を関連付けるお店や施設が一覧で出てくるようになりました。


私が作成している3Dモデルや全天球写真は、完全無名のものはほとんど無くある程度指定されている史跡ですが、なかなか表示の一覧に出てくるものはありません。
(スクリーンショットに関連する古墳は県指定です)

そんななか、稀にですが史跡がGoogleMAPに登録されている地域がぼちぼち出てきています。

登録者には、二つのパターンがあると考えられます。

○学芸員さんが登録されている?
地元の学芸員さんがGoogleMAPへの登録を進めている場合があります。
おかん塚古墳自体のマーカー作成はずいぶん前のようですが、最近国史跡になったこともありHPのリンクや電話番号がしっかりと飯田市に括り付けられました。(以前は埼群古墳館さんにリンクされていた時期も・・・)
上溝天神塚や御猿堂古墳のマーカーが出来ていることを考えると、よく知っている市の方かボランティアの方が動いているように思われます。




○一般のgoogleローカルガイドががんばっている?
最近になってgoogleMapへの写真やコメントの投稿などにポイントが与えられて、優遇されたサービスを受けられるようになっています。コメントの投稿がポイント稼ぎには一番楽そうなのであまり遺跡の位置を登録しているとは考えづらいですが、古墳に限らず文化財めぐりが好きな方がマーカーの作成・写真の登録を行われている可能性はあります。



自治体さんHPの文化財ページに情報があれば良いという時代はあっさりと終わり、インターネットの複数レイヤーに文化財情報を仕込むという時代が早速到来。”古墳”というキーワードでgoogleMAPを検索して、市町村史跡まで登録されている自治体を見つけたら・・・それは学芸員さんの努力の跡かもしれません。








2016年9月2日金曜日

茨城県_土浦市_高崎山古墳群西支群2号墳(Ver1.0、Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※茨城県では横穴式石室導入初期の石室。移築復元で綺麗になったのか、九州で周っている数が少ないせいか、なんだか九州を感じず・・・。佐賀とかの方なのかな。

天候が曇りだったため、3Dスキャナと写真測量どちらも実施。写真測量はGoPro4Silverの画像を使用しています。3DスキャンとGoProを使用した写真測量の差はまた別途記事にします。


かまち石近くの別の石。埼群古墳館様の写真と比べて動いていますねー。

2016年8月28日日曜日

群馬県_高崎市_少林山台遺跡2号墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※達磨で有名なお寺の近くに移築されている少林山台遺跡2号墳。移築された場所も急な墓地の直下にあります。

石室の入口にアクリル板があり内部は見学できるものの入ることは出来ません。しかし、アクリル板の左右に隙間がありそこから3Dスキャン。縦方向に2分割の3Dモデルと入口付近の3Dモデルで一つの石室が出来ています。

袖はあるものの床面側から3Dモデルを見るとほとんど無袖。観音塚古墳、野殿山王塚古墳に通じる構造でしょうか。

2016年8月24日水曜日

少し小さくなった個人登録のストリートビュー画像上限サイズ

2016夏の古墳めぐり(新規古墳なし)でphotogrammetry(写真測量)のトレーニングついでに、またまた高画質全天球用の写真をいくらか仕入れてきました。

いつも通りに全天球化の処理をして、13312×6656のサイズにサイズダウン。
グーグルストリートビューに登録しようとすると、どうも画像が認識されません。

サイズを間違えたかなと思い、サポートのページを見てみるとどうやらサイズが少し小さくなった模様。



以前は13312×6656の88メガピクセル(8860万画素)だったものが2016/6/1以降12000×6000の72メガピクセル(7200万画素)に変更されたようなのです。正直なところ、サイズの桁が大きくてあまり減らされた実感もないのですが、一先ず同じサイズくらいの新旧個人ストリートビューの画像を並べてみます。




群馬県伊勢崎市一ノ関古墳玄室(新サイズ72Mpixles)



愛知県豊田市馬場瀬古墳群8号墳玄室(旧サイズ88Mpixles)
※新サイズにリサイズされているかは分からず・・・


ぱっと見よく分かりません。細かくよく見ても、結合ズレやピンボケが目立つくらいでなんとも差分が見つけずらい・・・
今のところ、ストリートビューを使ったバーチャル古墳見学にはそれほど影響が無いようです。



上限を下げたのは、何のためだかよく分かりません。(サイズの区切りがよい?データサイズを下げるため?)機材の敷居が下がってきて、いろんな方が高画質の全天球写真をストリートビューに登録できるようになってきているのが影響しているのかもしれませんね。


2016年8月19日金曜日

岡山県_総社市_緑山古墳群8号墳(Ver1.0L)



※緑山古墳群最大の石室を持つ8号墳。奥壁側の全天球写真だとわかりづらいので、前壁側の全天球から奥壁を望む形。これがこうもり塚などと同じような立場に無いのがとても不思議です。

最奥の天井石一個を取り除くと7号とほぼ同じ玄室全長になったり、前壁から同じ位置付近に斜めに懸架されている天井石があったりと”拡大版”の感じが見え隠れしています。

2016年8月16日火曜日

360度カメラに対応するphotogrammetryソフトウェア

夏真っ盛り。
そんな中、いつもの3Dスキャンではなくphotogrammetry(写真測量)で横穴式石室が3D化できないかトレーニングも兼ねてまたまた北関東に。虫や蛇、マダニといったものとの遭遇が少なそうなところをいくらか周ってきました。

帰宅して、Pix4Dから来ていたメールをよくよく読んでみると・・・
”360度カメラに対応した”
というかなり重要な機能アップが書いてありました。

上空からドローンで撮影し地形の3Dモデルを作成する、オブジェクトを全方向から撮影して3Dモデルを作成するのとはまったく違った方向性。全ての方向に3D化対象物がある状況。
つまりは、屋内の3Dモデルが容易に作成できるということです。

今回の北関東の石室をphotogrammetryで3D化するにあたり、連続/重複している画像の撮影が非常に難しいことが判明しました。綺麗に作成するには、複数地点で高画質の全天球写真を作成するのと同じようなデータが必要になります。当然、処理枚数も数百枚というレベルに。

それが最初から全天球のカメラで撮影できるのであれば、撮影時間・処理時間ともに大幅な時短ができることが想像できます。

使えそうなThetaSで撮影した全天球画像をPix4DmapperDiscovery Ver2.2.22に処理を仕掛けてみると、とんでもないことになりました。














僅か5枚のThetaS画像で作成できた岩屋山古墳玄室。













変なところに床の画像があったりもしますが、形状は全般に良好。













前壁のデータや側壁に穴が開いていたりデータが乱れています。

使用したThetaSの撮影データですが外、羨道、玄室内と画像の明るさを合わせようとシャッタースピードを変えています。その結果、同じ箇所でも色の違う場所が出来てしまい処理できなくなってしまったようです。普通の石室にも同様のことが当てはまり、前庭部~開口部と玄門~石室内が
自動ではうまく処理されません。



奇しくも国内の全天球を使用し測量するソフトで処理をお願いしようと思って撮影したデータなのですが、一年もたたないうちに数十万(Photoscan)~百万円程度(Pix4D)のソフトで同じことができるようになりました。ユーザーフォーラムで、全天球カメラの対応を望む声がありそれをすぐにキャッチアップするなど、本当にソフトウェアの進化には恐ろしいものがあります。

2016年8月9日火曜日

群馬県_安中市_二軒茶屋古墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。


※磯貝塚古墳同様、集落の中にある石室完存の古墳。優秀な古墳犬に守られてきたからでしょうか。

周辺の磯貝塚古墳や万福原古墳同様、狭く玄室長以上の羨道+整った玄室ですが他のものに比べ僅かに大きいサイズです。3Dモデルを作っていたり全天球を眺めていた気がついたのですが天井石が寸足らずに見えます。

2016年8月5日金曜日

SketchfabのVRは次のレベルへ

ポケモンGOのARに食われてしまった感もありますが、その界隈ではVR元年というフレーズもあります。有名なところでは、OcculusRiftの製品版やSonyのPlaystationVRなど関連のガジェットが目白押しです。ただ、対応するコンテンツの数はおそらく限られてくるでしょう。


そんな中、3D石室を登録しているSketcfabが、表題のようなメールを送ってきました。

その説明が以下のブログです。
Introducing our VR launcher, teleportation and scene editor

簡単にいうとVR専用のセッティングやらツールが増えたよーということ。




















岡山県赤磐市鳥取上高塚古墳玄室3Dモデルに佇むVR君


早速試してみると、
・スケールあわせ(世界のサイズを変更できると説明 3Dモデルと人物の相対サイズ)
・床面を高さを変更(小さいものを視点の高さに置いたり)
・VRビューのスタート地点(VR君を動かしてVRのスタート位置を決められる)
というような設定が増えています。

単に固定した場所からのVRであればそれほど重要な設定ではありませんが、3Dモデルの中を移動するとなるとかなり重要な設定になると思います。



















長野県飯田市おかん塚古墳玄室を前壁上部視点でVR。
Sketcfabに登録してある石室3Dモデルの中でも比較的テクスチャがしっかりしているおかん塚古墳でも、連結部分やデータの未取得部分が気になります。




















奈良県明日香村岩屋山古墳を前壁上部視点でVR。

このVRに使用する石室データとしては、実物と見間違うくらいのテクスチャが作れる写真測量系のアプリケーションの方が相性がよさそう。
荒いテクスチャ+精度の高い計測 < 綺麗なテクスチャ+そこそこの計測


広い玄室を歩き回ったり、身をかがめながら石室に入ったり、屍床で横になれる日ももう少しです。

2016年7月31日日曜日

岡山県_総社市_緑山古墳群7号墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。






※4号に比べて少し玄室長が短くなる7号墳。全天球はぎりぎり1回で撮影できました。羨道の天井が一段下がっている様が、緑山古墳群では一番顕著でしょうか。見ようによってはまぐさ石が二階建にも見えます。


2016年7月28日木曜日

福岡県_上毛町_穴ヶ葉山1号墳(Ver1.0L)

 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。




福岡県_上毛町_穴ヶ葉山1号墳_羨道線刻 - Spherical Image - RICOH THETA


 ※見学に付き添ってくださった上毛町教育委員会の方と入口付近の魚の線刻を何とか確認できたりいろいろとご配慮いただいたんですが・・・線刻の撮影と3D化に大失敗。原因は3Dスキャナのぶれと線刻への光の当て方。先人方の写真がいかに難しいことをやっていたのか思い知らされました。

石室の形状は九州ではあまり伺ったことの無い広い羨道+方形の玄室。付帯設備も袖のでっぱりも無く、3D化した空間形状では宝塔山古墳などの終末期に近いような印象を受けます。

2016年7月25日月曜日

Pix4DMapperやPhotoScanの高い要求PCスペック(一般人には)

ドローンによる測量や文化財の3D化等で少しずつ増えてきている写真測量(Photogrammetry)。Pix4DMapper・Photoscanともに私物のパソコンでなんとなく動いていましたが、枚数を増やすと莫大な時間になることが多々あり今更ながら両ソフトウェアの要求PCスペックを確認。

結論から行くとやはりハイスペックでした。
(が、手が届かないというわけでもない・・・)

まず、Pix4DMapperに要求されているPCスペック(リンク先はメーカーサイト)

最低限スペック(安定動作に要求されるスペック)
・Windows7以降の64bitOS(同じ)
・Corei5以上のCPU(4コア以上のCorei7かXeon
・OPENGL3.2以上のGPU(GTX970以降もしくはQuadro)
・1400万画素100枚の写真を処理するのに4GBメモリと10GB以上の空き容量(8GBのメモリと15GB以上のSSD
※処理写真枚数が増えると、32GB以上のメモリと150GB以上のSSD空き容量が必要となります



私のパソコンで赤字を超えていたものはCPUとメモリとSSD空き容量。なんとか動くレベルの環境はあったようです。グラフィックカードは幾つかのプロセスの短縮に役立つオプションとあるので、最悪CPU付属のグラフィック機能でも良いようです。

ワークステーション用CPUのXeonとか3DCAD等ビジネス用GPUのQuadroとかは、個人事業主などお仕事に直結されてる方で無ければ持っていない代物なので、お目にかかることは稀でしょう。


Pix4DMapperにもまして要求スペックが激しいのが、Photoscanでした。
Photoscanに要求されているPCスペック(リンク先はメーカーサイト)

基本スペック(余裕があるスペック)
・2011年以降の4コア以上のCorei7(2011年以降の6コア以上のIntelCPU
・DDR3-1600のメモリ 16GB以上(DDR3-1600以上のメモリ 32GB)
・GTX 780or980(GTX 780Tior980 TITANX)option


CPUがぎりぎり基本スペックを満たしていたものの、メモリ・GPUは黒字すら未達・・・
比較的お安いメモリを+8GBしてみましたが、改善されるのは処理できる写真枚数が増えるだけで処理速度は変わりません。枚数によってはかなり大変な時間になります。

以前紹介したCuween Hill Chambered Tomb, Orkneyは、Canon70Dの2020万画素の写真を1500枚とPhotoscanを使用して作成されたと記載されています。PhotoscanのProライセンスか”余裕があるスペック”以上のPC(ワークステーション?)で処理されていることになります。

余裕のあるスペックをぎりぎり満たしそうなスペックをBTOパソコンで探しても25万円~というところ。ちょっとした画像動画編集やそこそこの3Dゲームでも十分すぎるスペック。今のところ現行機が時間はかかるものの元気に動いているだけに、写真処理の処理数に見合った価値があるかどうか悩ましいところです。


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2016/08/02 追記
数十枚規模かつ高画質を求めなければ、基本や最低条件を下回っていても作成は出来ます。ただし、多少でも品質を上げようとすると処理に莫大な時間が必要になります。導入を考えている方はPix4DMapper・Photoscanともにトライアルバージョンがあるので、動作するかどうかも含めて検証されたほうが良いでしょう。

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2017/09/25 追記
日本語でPhotoscanとスペックを探すと個々にたどり着くのかな?
対応しているGPUに1080が増えるなど、メーカーサイトも書き換わっています。要求条件が変わるというのはソフトウェアにとって当たり前のことでもあるので、メーカーサイトを必ず参照してください。