注意事項と3次元データの共有について

〇注意事項

3次元データのサイズによっては、高額な通信費用が発生します。Wi-Fi接続状態のスマートフォンまたは定額回線でのPCブラウザでの閲覧を推奨します。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを使用してみたい方へ

古墳や横穴式石室/横穴墓の3次元計測を行った記事は見つかるものの、取得データ自体に殆どアクセスできない3次元データ。レーザーやSfM/MVSと比べ粗いデータではありますが、使用してみたいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください。ただし、管理者/自治体との契約により、利活用が制限されている場合があります。

〇横穴式石室/横穴墓の3次元データを引き継ぎたい方へ

個人の3次元データではありますが、複数の要因で立入ができなくなった横穴式石室/横穴墓が多くあります。今後、個人でのデータ管理が行えなくなる/デジタル遺品化することを考慮し、データ相続先の研究者さん団体さんを緩く募集します。

記事への秘匿コメント、Sketchfabアカウントへのメッセージ、ストリートビューの公開アカウントなどお好きな手順でご連絡ください。





2015年7月29日水曜日

ストリートビューを超える全天球写真撮影にチャレンジ

googleさんのストリートビューで世間一般に認知されている全天球写真。
Richo社製Thetaやスマートフォンの機能でずいぶん撮影しやすくはなりましたが、より綺麗なものをと求めるのは性というもの。

残念ながらThetaより高画質の海外の全天球カメラは、発売される気配がありません。
Gigapanなど専用機材を使用すればもちろん綺麗に取れますが、機材自体で最低でも数万円。出せなくは無いけれど、それだけのためとなると躊躇する代物です。

3Dスキャン用にパンやチルトが自由にできるビデオ用雲台でよさそうなものがあったので、3Dスキャン、動画撮影、全天球撮影兼用として購入。早速投入してみました。

それでは、個人レベルで作成/撮影できる全天球写真を並べて、必要な機材などを紹介します。


Richo社製Theta



最も古墳ストリートビューで貢献しているTheta。
使用するものは、三脚とThetaそしてシャッターリモコンとなるスマホだけ。
撮影が容易で公式アプリでちょっと選択するだけでストリートビュー用となります。
今回の中で一番画質は悪いですが、さくさく撮影できる/狭い場所にも小さな三脚で置ける、現地確認が容易など専用機ならではのメリットがあります。





Androidスマートフォン





































最近のスマートフォン(AndroidOS 4.3以降搭載の物)ですと全天球写真を撮れるアプリが使用できます。使用した機材は、ドコモのスマートフォンSH-01GとGoogle社の標準カメラアプリ(+LED照明ですが、スマホのフラッシュライトでもある程度代用可能)。
アプリが加速度やジャイロなどのセンサーを元にどちらの方向を撮影したかを記録するため激しい動きやそもそもの誤差で破綻する箇所が出てきます。
ほぼ常時携帯しているスマートフォンで出来る撮影なので、突発で全天球写真を撮影には使えると思います。



そして、ここからが今回の目玉?


フルハイビジョン動画からの全天球画像作成




使用したものは
・Panasonic DMC-GH1(デジカメ)
LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. H-H020(レンズ)
・Velbon FHD-43M(ビデオ用雲台)
・Image Composite Editer 2.0 64bit版(合成ソフト)
・LEDランタン(照明)

動画に向かないレンズを使いゆっくり全方向を動画撮影します。注意点としては、可能な限り重複部分を撮影すること。この辺りは3Dスキャンで培われたノウハウでしょうか。作成に使用しているソフトはMicrosoft作成のフリーソフト。GH1の動画をそのまま読み込めないので一度変換して読み込ませるだけ。特に手を加えることなく上の全天球画像となります。
撮影/作成で20分程度。5000万画素というストリートビューに匹敵するものを作成できる割には、比較的お手軽な時間かと思います。

使用する動画を4K動画にすればさらに画質/解像度が上がりそうですが、処理時間やファイルサイズも加速度的に増大するので注意が必要。

また、ズームで線刻のある奥壁を舐めるように撮影し高画質なパノラマ画像にすることも出来る思います。



写真撮影からの全天球画像作成





使用したものは
・Panasonic DMC-GH1(デジカメ)
LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. H-H020(レンズ)
・Velbon FHD-43M(ビデオ用雲台)
・シャッターリモコン
・Image Composite Editer 2.0 64bit版(合成ソフト)

全方位をフラッシュ有で約400枚かけて撮影した写真をImage Composite Editerで合成したものです。4.4億画素という自身でもびっくりするレベルの全天球画像となりました。(カマドウマの足や触覚が判別できます)色調は自動補正である程度合わせてくれるため、ライティングについてはLED照明でも代用は可能と思います。手間はかかりますが、彩色の強調表現をしたものを合成することも可能でしょう。撮影/合成ともに時間がかかりますがあわせて1時間ちょっとでした。

また、通常の画像ビューワ無理なレベルになってくるため、マイクロソフトのサービス”Photosynth”への登録が必須になってきます。

!!注意!!
この画素数で市街地にある古墳墳丘上で全天球撮影するとおそらくプライバシーに関するものが多く写り込む筈です。公開するには車のナンバーや文字、人の顔、洗濯物など細心の注意が必要です。



Image Composite Editer 2.0で作成した全天球画像のストリートビュー登録



残念ながらImage Composite Editerで作成した全天球画像をそのままストリートビューへは登録できません。どちらが天頂かのデータをこちらのサイトで付与することになるのですが、あまり大きいファイルや画素数は受け付けてくれません。写真撮影から作成した全天球画像を1/100までサイズダウンすることでストリートビューへ登録できました。

なお、ストリートビューで閲覧するとThetaで撮影した2014版と今回の2015版が切り替えられるようになっています。


ざっくりとした解説ですが、デジカメは数年前のものですし雲台は4000円程度のもの、三脚は使いまわしというところでそれほど多額の出費なしで作成できています。また、撮影をコンデジやスマホに代え、雲台/三脚は人間力で補うということも出来なくはないはずですので、撮影の一手段としてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?









2015年7月24日金曜日

大分県_臼杵市_下山古墳(ビューのみ)



※東からアプローチしようとすると稜線をそこそこ歩きます。西からのアプローチもあるようですが、急激な上り・・・かな。
上部がかけた石甲と保護された石棺があるなかなかに見学しがいのある古墳。
機材の搬入がきつくて石棺/石甲の3Dモデルはありません。

2015年7月20日月曜日

2015年7月17日金曜日

近赤外線ライトで何か見えるかを試してみる。

”九州装飾古墳のすべて”の88ページにある近赤外線分光画像による壁画解析。
それらしいことが出来るかなぁと思いたち850nmの赤外線ライトを入手してしまったので、同じく赤外線領域を閲覧できるStructureSensorの組み合わせで試してみました。


まず、試してみたのは、茨城県かすみがうら市の太子古墳。
丸紋が描かれていたとのことですが、現在では退色してしまってそれらしいものは観察できません。
このタイミングでは赤外線ライトが無かったので、StructureSensorの暗視機能をつかって撮影しています。(870nmの赤外線)


















太子古墳側壁。
心の目で見ると丸紋が見るのかも知れませんが、それっぽく見えるところはあるもののちゃんとした判別は出来ず。




岡山県総社市のこうもり塚古墳の奥壁を眺めていたとき文字らしきものを見つけもう一度チャレンジ。
上がLEDランタンを当ててiPadで撮影したもの、下が赤外線ライトを当てて撮影したもの。




























なんとなく ”???十月廿二?上田?  同上”と書いてありそうな気がします。
古墳の石室に名前などを書くのはいろいろなところで見たので千社札感覚の落書きだとは思いますが、よく残っていたものです。
(公開説明員の方の話だと、土砂に半分埋もれていた)

この後もいろいろ試してみましたが、墨書きの落書きははっきり見えるもののなにか別のものが見えるでもなく、むしろデジカメのフィルター機能やRAWデータを弄ったほうが落書きすらも明瞭になる結果でした。

装飾などの発見を本気でやるのならこういうものを使用して石室壁面に塗布されているものを解析したほうが良いかもしれませんが、個人レベルじゃちょっと無理な代物です。


この分野は、スマホ用の分光計待ちですね。







 

2015年7月14日火曜日

Venus de Willendorf(ヴィレンドルフのヴィーナス)Sketchfabの投稿から

Sketchfabでのフォロワーさんが投稿したヴィレンドルフのビーナス。
オーストリアで発掘された旧石器時代 紀元前28,000~25,000年の彫刻石像らしいですが、
素晴らしい出来栄えに感動すると同時に
ダウンロード自由
3Dプリントアウト可能
改変OK
という内容にさらに驚きました。

画面の右上に出ているプリンターマークが3Dプリントアウトの発注
雲のマークがダウンロードになります。



 

あちらでも手続きとかもろもろ大変なのかもしれませんが、
文化財を3Dで残すもしくは見せるというのは確実に広まってきているようです。
(サイズ的に小さな出土品が多い気がします。)

縄文のビーナス ガチャガチャにして売ってる場合じゃないかもしれません。

2015年7月9日木曜日

栃木県_宇都宮市_長岡百穴の一基(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。





※ほぼ全ての横穴墓に仏像が彫られている長岡百穴。3D化した横穴墓の番号が判然としませんが、他の方の見学記でもよく見たものなので長岡百穴東側の一基であることは確かです。
奥の仏像と側壁の四角い掘り込みを持つものがあります。一つ一つの規模は小さめ。

全部ちゃんと3Dスキャンするとして1週間かなぁ。


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2016/12/08
全体像を別に作成したので、タイトルを変更

2015年7月5日日曜日

福岡県_八女市_童男山古墳群3号墳(Ver1.0L)


 3Dモデルを閲覧できない場合はSketchfabの使い方_3Dモデル閲覧_その1を参照して確認してください。



※童男山古墳群最後は、大きな失敗を含んだ3Dモデル。
3号墳スキャンのタイミングでちょうど太陽と開口方向が一致してしまうというスキャナにとって難しい条件となり、太陽光の入射が激しい開口部・前室は3Dスキャンがうまく出来ませんでした。

天井の最高所や構成が少しおかしな感じもするので、天井石が落ちて石屋形で止まったような想像をしてみたり。